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10話 ルナとの昼食と、笑顔の美少女に癒されるひととき

Author: みみっく
last update Huling Na-update: 2025-10-22 12:29:10

「うん。冒険をしてみたいな〜って……」

 (異世界と言えば、魔法と冒険でしょっ! 冒険は……まだ、してないけど。これからだよ。うん、これから!) レイニーの顔には、未来への期待が浮かぶ。

「あぁ……そういうことですの。あまり危険なことをなさらないでくださいね」

 フィオナは、呆れたような表情で、しかし初めて微笑んでくれた。その表情は初対面の時とは別人かと思うほどで、可愛らしく人を惹き付ける魅力を感じた。だが、その微笑みは一瞬で、元のムスッとした顔に戻ってしまった。

「まずは、魔法を覚えないとかな……。魔法を覚えるのが楽しくてさ」

 レイニーが、魔法の話で盛り上がってきたところに、メイドさんとルナが部屋に入ってきた。そして、入れ替わりにフィオナが呼ばれて出ていった。その足取りは、どこか名残惜しそうにも見えた。

「お兄様、そろそろお昼ですね〜♪」

 ルナが、レイニーの腕にしがみついてきた。その笑顔は、太陽のように明るかった。

♢異世界での新たな発見

 昼食を大好きなルナと一緒に食べた。やっぱり笑顔の美少女と一緒に楽しく会話しながら食事をすると、楽しくて癒されるね。レイニーは、ルナとの穏やかなひとときに心を満たされた。午後からは、勝手に城を彷徨いながら、城のマップを頭に描き覚えた。その行動は、もはや好奇心旺盛な子供そのものだった。

 その後、書庫に向かい日課の読書をした。「他種族」という本があったので読んでみた。すると、人間種の他にも多くの種族が存在し、この王国でも昔は共存していたと記録にあった。また、王国の軍でも多くの獣人が活躍していたらしい。さらには、王国を救った英雄も存在したと書かれていた。

 他の歴史書にも悪魔や天使の存在が多く記録に残っていた。まあ、悪魔は当然だが、悪さをして混乱を引き起こし、天使は疫病の治療や災害時に現れていたらしい。そして、王都近くの山にダンジョンがあり悪魔が出るとのことで、ダンジョンを封印し結界を張ったと記述されていた。

 ドラゴンの存在なども書かれていて面白く、まるでゲームやアニメの話の中のようでワクワクしてくる。レイニーの心は、新たな知識によって高揚していた。

 読書をやめ、気分転換に外に出ると、初めて軍の練習場に出てしまった。

 そこで偉そうな者が椅子に座り、指示や文句を言っていた。その言葉には魅力を感じられず、ただ自分のストレスを発散しているように見える。

「お前ら、そんな事も判断できないのか!? やる気あるのか? あぁ!? そんな事はなぁ、臨機応変で自分で考えろ! 何のための訓練なんだ! イチイチ指示を仰ぐな! 聞いてくるな!」

 わぁ……だったら、こいつ必要ないじゃん。何のための上官なんだかね〜イヤダイヤダ。ただの職務放棄じゃんかぁー……。レイニーは、呆れたように内心で毒づいた。

 魔術師団長がレイニーのことを少し遠くで見ていて、レイニーが嫌な顔をしていたらしく、声を掛けてきた。よく合うねぇ……この人。

「レイニー様、よくお会いしますね。嫌そうなお顔をされて、いかがされたのですか?」

「え、あぁ……軍のことに口を出す気はないんですけど……あの方って大丈夫なのかなって思いまして……」

 レイニーは、偉そうな態度の男の方を向いて口を開いた。

「あぁ……最近、出世した方ですね。と言っても親の口利きで出世したんですがね」

 団長は、眉をひそめて答えた。

「そんな感じですよね。話を聞いている感じ……実力じゃない気がしますね……」

「どうして、そう思ったのですか?」

 団長は、レイニーの言葉に興味を抱いた。

「部下や一般兵にその場で臨機応変に対応しろと言っているんですよ? ありえますか? 政治を理解していない、作戦を理解していない者に臨機応変に対応しろと? それが引き金になり戦争に突入することもありますし、関係の悪化も考えられますよね? そんな指示や訓練をしているんですよ」

 レイニーが、可愛く頬を膨らませて言った。その言葉には、核心を突く鋭さがあった。

「え、えぇ……それは……マズイですね。勝手に動けと言ってるんですね……。後で騎士団長に話をしておきます」

 団長が苦笑いを浮かべながら返事を返した。しかし、レイニーの指摘の内容が、ただの子供の指摘だとは思えないほど的確で、さすがは高度な教育を受けているだけのことはあるが、そこまで考えられるものなのか? とレイニーの洞察力の高さを知った団長は、改めてレイニーへの評価を改めた。

「下の者が上にお伺いを立てるのは、常識ですよね。下級兵士の自己判断は危険ですからね」

 規模が大きくなれば、いわゆる『ほうれんそう(報告、連絡、相談)』が重要になってくると思う。レイニーは、前世の知識を元に、冷静に分析した。

「レイニー様って、何者なのですか?」

 団長は、思わずレイニーに問いかけた。

「え、あぁ……見ての通りの子供ですよっ♪ ただ書庫で学んだ知識なんで……報告、連絡、相談は重要ですって覚えましたっ!」

 レイニーは、ニコッと笑いながら元気に答えた。

「えぇ、それは重要ですね、勝手に下級兵士に判断されて動かれては困りますからね。王国軍としての思惑や作戦もありますしね」

 魔術師団長がそう言うと、少し悩んだ感じで改めて口を開いた。レイニーが報告してきた事も重要で問題だが、今はそれよりもレイニー様の魔術師としての才能の方が彼にとって最も重要だった。

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